1964年(昭和39年)11月23日(月)上毛新聞 7面
群馬バスいよいよワンマン化
ワンマン・バスは、かつて若い女性あこがれの職業だった車掌さんが最近はそっぽをむかれて
車掌さん不足が深刻なほか、バス会社の宿命で新車補充の設備投資がかさむ反面、ダイヤ増発や、
路線延長など利用者の希望にもこたえたい-という経営上のいくつもの欠陥をカバーする”切り札”。
同社では試験的に走らせた、前橋市内循環が好成績なので、いよいよ本格的なワンマン化に乗り出し
たものだが、(昭和)四三年までには市街地から平たん地の路線をすべてワンマン・バスを走らせる計画だ。
ワンマン化の一番の理由にされている車掌不足は、他産業と同じ中・高卒者の人手不足によるが、2、3年前
までは求人広告にどっと押し寄せた応募者が、西院は四十、五十人求めても、五、六人程度。
女の車掌さんは、大抵三-四年勤務しておヨメ入りを理由に退職するそうで、同社では給与、勤務時間などを
他社より好条件にして、穴埋めにやっきだが、朝が早かったり遅い夜勤というのが、若い人達に好かれないらしい。
このため代替要員や臨時増発などには観光バスのガイド嬢をかり出す始末だという。それ以上に、
今の小学五、六年生の女の子の数が全国で平年の九十万人の半分しかいないといわれ、
三年後に、バス会社が”戦力”に見込んでも求人難が想像以上とみられるわけ。
同社ではこの将来の見とおしから三カ年計画で、車掌のいらないバス化に手をつけたという。
当然、人件費がいく分縮小でき、この分で新車両を増やしたり、増発して結局は客サービスを向上できるというのが、またワンマン化の理由でもあり効果でもある。
(8路線記載)
現在のワンマン・バスは十円均一の短区間だが、こんどの八路線は十円から四十円までの他区間運行が特色。